


爆発放散口
(エクスプロージョン・ベント)- 爆発放散口の選定表・各型式の紹介
- 爆発放散口の各型式の説明と詳細
- 爆発放散口のフレーム寸法
- 爆発消炎ベント
爆発放散口の基礎
(技術的情報)- 爆発放散口とは、用語説明
- 爆発放散口の設置仕様書の作り方
- 爆発放散口の設置ガイド
- 爆発放散面積の算出方法
- 爆発試験
アクティブシステム
- アクティブシステムの導入
- 爆発抑止システム
- ナイフゲートバルブ
非アクティブ方式の
爆発伝ぱん遮断- ベンテックスバルブ
爆発防護の基礎
(技術的情報)- 爆発防護の考え方

爆発放散口 お問い合わせ
- 簡単お問い合わせフォーム
- プロフェッショナル
お問い合わせフォーム 相談・カタログ請求
- とにかく相談フォーム
- カタログ請求フォーム
ベンテックスバルブ(Rico Ventex Valve)
ベンテックスバルブとは

ベンテックスバルブ
爆発遮断の目的は、ある時点で発生した爆発が配管、ダクト内を進行し、接続された機器および人員区画へ火炎、爆発が伝ぱんすることを制止することにあります。一般的に各機器は独立してエクスプロージョン・ベント、爆発抑止システムなどの爆発防護装置が取付けられますが、この場合でも火炎、爆発の伝ぱんにより二次災害(火災、爆発)が発生する潜在的危険があります。配管、ダクト内を進行する爆発火炎は逆火状態だけではなく、順火状態でも進行するので、各ケースを考慮した安全対策が必要です。
スイスRico社製ベンテックスバルブは、この問題を解決するための機械式バリアーを行う遮断弁です。ナイフゲートバルブとは違い、爆発感知、システム制御等の電気システムを一切使用しないパッシブ方式を特徴とします。防護対象は粉じん爆発ですが、通常の運転で粉じんが存在しない空気ラインに設置し、伝ぱんする爆発火炎から発生する圧力によりフローティングボールを可動、ロックし配管を遮断します。
*注.通常の運転で粉じんが存在するラインに設置する場合は、ナイフゲートバルブを使用します。
ベンテックスバルブのタイプ
ベンテックスバルブには使用条件合わせて、次のタイプがあります。
- ESI-E型 : 一方向遮断タイプ (スタンダードモデル)
- ESI-D型 : 両方向遮断タイプ
- ESI-C型 : 逆止弁タイプ
ESI-E型は、一方向遮断タイプのスタンダードモデルです。

図1.ベンテックスバルブ ESI-E型
製品はハウジング①、フローティングボール②、バルブ軸③、バルブ軸受け④から構成されます。フローティングボールはスプリングの力によりバルブ軸中心部のオープン・ポジションに保持されます。オープン・ポジションは、最大流速20m/secのプロセス運転の空気フローに耐え保持することができます。バルブを閉じるための最小の差圧は、10kPaです。
爆発による圧力波⑥(図2参照)はフローティングボール②をバルブ・シート面⑦まで可動し、爆発圧力と火炎⑧(図2参照)に対するバリアーを形成します。フローティングボールは、クローズ・ポジションのロック機構⑨により確実に保持されます。リセットノブ⑩を持ち上げることにより、ロックは解除され、フローティングボールはオープン・ポジションに戻ります。
ESI-D型は、ESI-E型をベースに両方向からの爆発圧力と火炎を遮断できるように設計したモデルです。

図2.ベンテックスバルブ ESI-D型
この目的のために、フローティングボールは両方向へ可動し、両側にバルブ・シート面を持ちます。フローティングボールはスプリングの力により両側のバルブ・シート面の中心部であるオープン・ポジションに保持されます。爆発発生時には、フローティングボールは、片側のクローズ・ポジションへ可動され確実にロックされます。
ESI-C型は、逆止弁タイプのアクションを持つモデルです。

図3.ベンテックスバルブ ESI-C型(新型番)
スプリング④の力により常時閉(ノーマルクローズ)のバルブに仕上がっています。プロセス運転の空気フローによりフローティングボールはクローズ・ポジションから離れ、バルブは開きます。爆発発生時には、空気フロー下流からの爆発の逆火による圧力波⑥は、スプリングの力を補助して容易にバルブを閉鎖します。このスプリングと圧力波の組合せによるスピーディな爆発遮断は、バルブを着火源に接近させた設置を可能とします(ESI-E型およびESI-D型比べ)。
ベンテックスバルブ 仕様
| 型式 | ESI-E型 : 一方向遮断タイプ (Single Acting Explosion Isolataion Valve) | ||
| ESI-D型 : 両方向遮断タイプ (Double Acting Explosion Isolation Valve) | |||
| ESI-C型 : 逆止弁タイプ (Explosion Isolation Check Valve) | |||
| 爆発危険等級 | ST 1 & ST 2 dusts | ||
| 耐圧PEX | ハイブリッド:要問合せ | ||
| 口径 DN100〜DN500: 最大 1MPa | |||
| 口径 DN700:最大 0.5MPa | |||
| エクスプロージョン・ベントと組合せ時 | エクスプロージョン・ベントの破裂圧力=20kPaG以上 | ||
| 爆発抑止システムと組合せ時 | 爆発抑止システムの作動セット圧=20kPaG以上 | ||
| 実証テスト実地機関 | DMT, ドイツ・ドルトムント/FSA ドイツ・マンハイム/チバガイギ スイス・バーセル | ||
| バルブ閉止のための必要差圧 | 最小値10kPaG | ||
| 最大運転温度 | ネオプレーン・ガスケット | Tmax90℃ | |
| EPDM・ガスケット | Tmax120℃ | ||
| シリコーン・ガスケット | Tmax150℃ | ||
| FPM・ガスケット | Tmax150℃ | ||
| 高温シリコーン・ガスケット | Tmax260℃ | ||
| 最大流速 | Vmax=20 m/sec | ||
| 最小設置距離Xmin | 着火源から5m(参考値) | ||
| 最大設置距離Xmax | 着火源から12.5m(参考値) | ||
| 材質 | タイプA | ハウジング部:鉄製、ハウジング外部:塗装仕上げ、バルブ内要部:ステンレス304製 Mild steel painted red (Nitro-synthetic resin top coat RAL 3020)valve body; AISI 304 (W1.4301)internal part. Wetted parts: mild steel / AISI 304 |
|
| タイプC | ハウジング部:ステンレス304製、バルブ内要部:ステンレス304製 AISI 304 (W1.4301) valve body; AISI 304 (W1.4301) internal parts. Wetted parts: AISI 304 |
||
| タイプE | ハウジング部:ステンレス316L製、バルブ内要部:ステンレス316L製 AISI 316 L(W1.4435) valve body and internal parts. Wetted parts: AISI 316L |
||
| 接続フランジ | DIN 2576, PN 10 | ||
| 気密性 | 標準モデルはバルブ閉時に気密性を持たない Standard valves are not gastight |
||
| オプション | 電気式ポジション・インディケーター Position indicators (valve open/valve closed), also available for use in Ex classified areas | ||
| 高温モデル Higher process temperatures | |||
| 垂直取付モデル(標準品は水平取付) Vertical installation | |||
| Other surface treatment | |||
| 相フランジセット Mating flanges, gaskets,studs and nuts | |||
| ANSI 150フランジ仕様(標準はDINフランジ) | |||
| 気密性付加型 Gastight(DIN 3230 BO L1) up to 2 or 10 bar | |||
- 爆発危険等級
- ベンテックスバルブは、爆発危険等級 St 1 および St 2 の粉じん爆発による爆発伝ぱんまたは爆発下限界の50%の濃度以下のベーパー、ガスと粉じんの混合によるハイブリット爆発による爆発伝ぱんを遮断することができます。ベンテックスバルブが耐えられる最大爆発圧力は100kPaGです(口径DN 700の場合は50kPaG)。
*ハイブリット爆発の場合は、特別な考慮が必要ですので、お問合せ下さい。
- エクスプロージョン・ベント(爆発放散口)と組合せ時
- 配管がエクスプロージョン・ベントで防護された機器と接続されている場合、ベンテックバルブの作動を確実にするために、エクスプロージョン・ベントの破裂圧力は20kPaG以上とする必要があります。
- 爆発抑止システムと組合せ時
- 配管が爆発抑止システムで防護された機器と接続されている場合、ベンテックスバルブの作動を確実にするために、爆発抑止システム作動セット圧は20kPaG以上とする必要があります。
- 着火源からの取付位置制限(参考値)
- ベンテックスバルブは、着火源であり、爆発防護の対象となっている機器から最小距離5m〜最大距離12.5mの範囲に設置します。ただし、逆止弁タイプのESI-C型はより短い最小設置距離を持ち、爆発指数Kst < 500の場合に最小設置距離=1.5mが可能です。これら設置距離は参考値であり、最終的には爆発危険等級、最大爆発圧力、防護機器の放散爆発圧力(Pred)、ベンテックスバルブの口径から慎重に決定する必要があります。
- 設置方向
- ベンテックスバルブは水平取付の設計ですが、オプションで垂直取付モデルがご用意できます。このモデルは工場で垂直取付にセットされ出荷されます。
- 粉じんが存在するラインでの注意事項
- ベンテックスバルブは、粉じんが存在しない空気ラインに使用します。粉じんが存在するラインでの使用に関してはバルブを完全にクローズできない危惧があるため、使用を推奨できません。そのような運転条件においては、プロセス運転の変更が必要となります。粉じんが存在するラインに設置する場合は、ナイフゲートバルブの使用が推奨されます。
寸法および圧力損失値

| サイズ 口径 (インチ) |
L (mm) |
D (mm) |
重量 (kg) |
ESI-E型 | ESI-D型 | ESI-C型 | |||||
| 圧力損失(kPa) | 圧力損失(kPa) | 圧力損失(kPa) | |||||||||
| at 15 m/s | at 20 m/s | at 15 m/s | at 20 m/s | at 15 m/s | at 20 m/s | ||||||
| A | B | A | B | ||||||||
| DN100 | 350 *450 |
265 |
44 |
0.29 |
0.35 |
0.50 |
0.60 |
0.29 |
0.50 |
0.28 |
0.43 |
| DN200 | 610 | 400 | 52 | 0.19 | 0.23 | 0.34 | 0.41 | 0.19 | 0.34 | 0.49 | 0.68 |
| DN300 | 780 | 550 | 82 | 0.12 | 0.18 | 0.22 | 0.31 | 0.12 | 0.22 | 0.38 | 0.61 |
| DN400 | 940 | 720 | 132 | 0.24 | 0.27 | 0.43 | 0.48 | 0.24 | 0.43 | 0.61 | 0.78 |
| DN500 | 1300 | 900 | 215 | 0.47 | 0.58 | 0.84 | 1.05 | 0.47 | 0.84 | 0.73 | 1.28 |
| DN600 | 1420 | 929 | 305 | 0.40 | 0.50 | 0.70 | 0.88 | 0.40 | 0.70 | - | - |
| DN700 | 1530 | 1220 | 460 | 0.48 | 0.48 | 0.85 | 0.85 | 0.48 | - | - | - |
* ESI-D型のみ
A:爆発進行方向(with explosion flow)
B:爆発進行の反対方向(against explosion flow)
取付例
ホット・エアー(加熱空気)取り込みライン


着火源は噴霧式乾燥機⑤またはスプレードライヤーであり、スラリー供給パイプ④と熱風空気の取入れパイプ①が接続されています。ベンテックスバルブ③は、熱交換器②の手前に取付けられ、熱交換器とその上流側への爆発火炎の伝ぱんを制止します。
ニューマチック粉体輸送ライン


上図のニューマチック粉体輸送ラインは、着火源と考えられるサイクロン④とバグフィルター⑤、それぞれに設置されるロータリーバルブ⑨とファン③から構成されます。それぞれの空気排出口に設置されたベンテックスバルブ①は、爆発火炎がファン③とその下流に伝搬することを制止します。空気取入れ口⑥に設置されたベンテックスバルブ①は、サイクロン④から製品を次の機器へ送るパイプ⑦から上流の地区⑧へ火炎が伝ぱんするのを制止します。この時、ロータリーバルブ⑨は、遮断弁として機能します。サイクロン④へ製品の粉体を供給するパイプには、ナイフゲートバルブまたはケミカルアイソレーション・システム(化学的遮断システム)を設置します。









