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ナイフゲートバルブ(爆発遮断弁)

爆発事故で恐ろしい現象の一つは、爆発が次々と伝ぱんしてゆき、被害がプラント全体に及ぶことがあるという点です。そのため、爆発の発生が予想される機器本体を防護するだけでなく、接続された配管にも、爆発を遮断するための装置が必要となります。
伝ぱんする爆発の恐ろしさ
たとえばここに、可燃性ガス、または粉じんが充満した1立米と5立米の2つの閉じた容器があり、それぞれの中で爆発が発生したとします。このとき、独立した容器で個別に爆発が発生した場合、容器内の最大爆発圧力と、爆発圧力の上昇率が、それぞれ図中の様になったとします。

図2 2つの容器で個別に爆発が起こった場合
次に同じ二つの容器が、配管によって連結されていたとします。このとき大きい方の容器で着火し、爆発が始まったとします。このとき、それぞれの容器内の圧力は、個別に着火した場合と比べて大きく上昇します。

図3 伝ぱんする爆発の恐ろしさ
特に爆発が伝ぱんしていった先の方の容器では、個別に爆発した時と比較して最大圧力がおよそ3倍にもなっています。これは、最初に発生した容器2の爆発の圧力が配管を伝播し、容器1に火炎が伝播した時にはすでに内圧が高まっていたためにこの様な現象が発生します。もし実際のプロセスで爆発が発生した場合、伝播した先の機器は大きなダメージを受ける可能性が高く、大変危険です。
ここでナイフゲートバルブの出番となります。ナイフゲートバルブは配管やダクトを高速な機械式遮断弁で強制的に閉鎖し、火炎伝ぱんをブロックし、大切な機器と人命を事故から守ります。
ナイフゲートバルブ(爆発遮断弁)の特徴

ナイフゲートバルブ
(写真は3インチ仕様)
- ナイフゲートバルブは、一般に言われる緊急遮断弁とは目的が全く異なる、爆発遮断専用の特殊ゲートバルブです
- 両方向の遮断が可能です。上流側、下流側、どちらで発生した爆発も遮断できます。
- 弁体はおよそ5m/secのスピードで動き、爆発を遮断します。
- 常用運転時は遮断弁は全開のため、粉体の目詰まりがなく、圧力損失がありません。
- クリーンシート形状のため粉の溜りがなく、クリーンさが持続します。
- GCA(ガス・カートリッジ・アクチュエータ)と呼ばれる窒素ガス発生装置によって弁体は駆動されます。
- 窒素ガスボンベを使用しないため、ガスリークの管理が不要です。
- 面間が薄く、設置が楽です。
ナイフゲートバルブ仕様
| 遮断弁口径 | 2インチ から 24インチ まで | |
| 使用可能温度 | プロセス温度 | -28℃ から 260℃ まで |
| 周辺環境温度 | -28℃ から 54℃ まで | |
| 使用可能運転圧力 | フルバキュームから+2barG (+0.2MPaG)まで | |
| 耐爆発圧力 | 10barG(1MPaG) | |
| 接続フランジ | ANSI150(標準) DINフランジ仕様、サニタリー仕様もご用意できます。 | |
| 材質 | 接粉部 | 316ステンレス |
| フランジ | 316ステンレス | |
| 本体 | カーボンスチール | |
| 塗装 | 黒色ウレタンエナメル塗装 | |
仕様

遮断弁2”から10”まで

遮断弁12”から18”まで
▼遮断弁寸法一覧(20”と24”は上図と同様ですが、GCAが3本の仕様となります)
| 遮断弁 サイズ | P 配管径 | BC フランジ ボルト径 | F ボルト タイプ | ボルト 本数 | A | B | C | D | T | 重量 |
| (インチ) | (インチ) | (mm) | (径-ピッチ) | (本) | (mm) | (mm) | (mm) | (mm) | (mm) | (kg) |
| 2 | 2 | 121 | 5/8"-11 | 4 | 140 | 320 | 830 | 140 | 89 | 34 |
| 3 | 3 | 152 | 5/8"-11 | 4 | 240 | 500 | 1000 | 230 | 110 | 66 |
| 4 | 4 | 191 | 5/8"-11 | 8 | 240 | 500 | 1000 | 230 | 110 | 68 |
| 6 | 6 | 241 | 3/4"-10 | 8 | 320 | 670 | 1300 | 290 | 110 | 100 |
| 8 | 8 | 298 | 3/4"-10 | 8 | 400 | 820 | 1500 | 350 | 110 | 150 |
| 10 | 10 | 362 | 7/8"-9 | 12 | 480 | 980 | 1600 | 410 | 120 | 220 |
| 12 | 12 | 432 | 7/8"-9 | 12 | 680 | 1200 | 2000 | 530 | 210 | 270 |
| 14 | 14 | 476 | 1"-8 | 12 | 780 | 1400 | 2200 | 580 | 210 | 380 |
| 16 | 16 | 540 | 1"-8 | 16 | 860 | 1500 | 2400 | 640 | 210 | 440 |
| 18 | 18 | 578 | 1 1/8"-8 | 16 | 960 | 1800 | 2700 | 710 | 210 | 510 |
| 20 | 20 | 635 | 1 1/8"-8 | 20 | 1000 | 1900 | 2900 | 770 | 170 | 690 |
| 24 | 24 | 743 | 1 1/4"-8 | 20 | 1200 | 2300 | 3500 | 910 | 170 | 830 |
爆発遮断弁の設計パラメータ
爆発遮断弁に必要な設計パラメータは以下の通りです。以下のパラメータを使い、爆発遮断弁の設置距離が決まります。爆発遮断弁は、着火元となる機器からの距離が近すぎても遠すぎても性能を発揮することができません。また設置距離を決めるためには、以下のパラメータの全てが必要です。
- KG値(ガスの場合)
- Kst値(粉体の場合)
- Pmax値
- プロセスのレイアウト
(※機器と遮断弁の間に設置できるエルボは最大2個までのため) - 配管径
- 機器体積
- 流速
- 運転圧力
- 最大運転圧力
- 運転温度
- 圧力ディテクターの設定圧力※
※圧力ディテクターの設定圧力は、爆発放散口の設定破裂圧力、または爆発抑止システムの作動圧力との兼ね合いで適宜決定されます。
注意点
- 口径2インチ~18インチまでは、垂直~水平方向までの設置が可能です。20インチと24インチについては垂直方向のみの設置が可能です。
- ファイク認定テクニシャンによる、6ヶ月に一回の定期メンテナンスが必要です。定期メンテナンスにおいては、GCAを取り外し、専用のエアツールを取り付け、弁体を空気圧で往復させます。これによって弁体の固着を防ぎ、遮断弁の滑らかな動作を保ちます。
- 定期メンテナンスのために、ナイフゲートバルブ周辺にある程度の空間が必要です。詳しくはお問い合わせ下さい。
- 屋外設置の場合は、雨水によるトラブル予防のため、雨よけの設置を推奨致します。









